臆病な冒険家の高山病対策。
ウマワカ渓谷、ナスカの地上絵、マチュ・ピチュ、クスコ、チチカカ湖、ウユニ塩湖。南米には日本人に人気の絶景が多い。しかし、その多くが富士山(標高3776m)並みに標高の高い所に存在していることをご存じだろうか?
・クスコ(ペルー)
インカ帝国の首都。標高3400m。マチュ・ピチュからさらに約1km高い場所にある。国際空港もあり、首都ではないが現在もペルー有数の都市として栄えている。
ペルーとボリビアの国境にある淡水湖。標高3810m。希少な古代湖。ウル族がトトラと呼ばれる葦を多数重ね合わせた浮島を作り、暮らしている。
・ウユニ塩湖(ボリビア)
年末に訪れる予定!鏡張りで超有名。日本人に人気で、書店にはウユニ塩湖専門の書籍が多数並んでいる。標高3700m。2012年に空港ができたので、アクセスが楽になった。また、スマホや電気自動車のバッテリーであるリチウムイオン電池の原料、リチウムが豊富に埋蔵されており、絶景以外でも注目を集めている。
標高が高いことの何が問題なのかって?そうです。あれですよ、あれ。高山病!!
高山病は低酸素状態に置かれたときに発症する症候群。標高が高くなると、気圧が下がる。それに伴い酸素分圧も低下する。普段通りに呼吸しても取り込める酸素の量が少ないので、血中酸素濃度が低下し、体に様々な不調をきたす。主な症状は頭痛、めまいや吐き気。重症の場合は高地脳浮腫や高地肺水腫を起こし、死に至ることもある。
恐ろしい。死んじゃうんですよ。怖いですよね!?
ではどう予防するか?
まず、ダイアモックスという予防薬がある。血管を拡張し、血流を良くすることで低酸素状態を改善する。ただ、薬局で普通に買えるわけではなく医師の処方が必要。また、高山病薬として処方する場合は保険がきかない。
もう一つ、個人的に一番効果的だと思うのが、高地順応。いきなり高地に行かず、徐々に体を慣らしていく方法。ウユニ塩湖に行くことを想定した場合、一般的に2パターン考えられる※1、2。1つ目が標高が比較的低いラパス南部で数日宿泊する方法。2つ目がボリビアの憲法上の首都であるスクレに移動する方法。標高が2750mなので、高地順応に適している。スクレからは銀山のあったポトシを抜けてウユニに向かう。ただ、僕にそんな余裕は無い。なぜなら、今回の旅行は「10日間の休みでいく弾丸世界一周旅行!」だから。ちなみにスケジュールは以下の通り。
12/27 成田→ヒューストン乗り継ぎ→リマ
12/28 リマ→ラパス乗り継ぎ→ウユニ
12/29 ウユニ塩湖ツアー
12/30 ウユニ→ラパス乗り継ぎ→リマ
リマ観光
リマ発→
12/31 →ニューヨーク着
(できればタイムズスクエアでカウントダウン)
1/1 ニューヨーク発→
1/2 →フランクフルト乗り継ぎ→マルタ
1/3 マルタ (できればスキューバダイビング)
1/4 マルタ→フランクフルト乗り継ぎ→
1/5 →羽田
というわけで、低酸素トレーニングができる施設が近所にないか調べてみたところ、銀座に発見※3。速攻で、予約して行ってみた。
受け付けを済ますと、すぐに低酸素ルームに案内される。ウォーキングマシンが2台置いてあって、思ったより狭い…。気圧は富士山の頂上と同等ぐらいに調節されているらしい。早速ウォーキングマシンで運動かなと思いきや、まずは体を慣らすために30分間安静にするとのこと。本を読んだり、音楽聞いたりするのはOK。休憩しながら、5分おきに血中の飽和酸素濃度(SpO2)と心拍数(PULSE)を記録する。クリップみたいな機械に指を挟むことで簡単に測ることができる。SpO2が60を下回ったり、PULSEが150を超えたりすると高山病の危険が出てくるので、すぐに退室しなければならない。
30分後、次はウォーキングマシンを使ってゆっくり15分間歩く。先ほどと同様に5分おきにSpO2とPULSEを測る。安静時に比べて明らかにSpO2が下がり、PULSEが上昇したが、なんとか1セット目が終了。
次にインストラクターさんが呼吸法をアドヴァイス。まずしっかり吐くことを意識する。それができれば、吸う方は自動的にできるようになるらしい。あと、自分がやりやすい呼吸のやり方をみつけること。今回のインストラクターさんは2回鼻から吸って、1回口から吐くのがやりやすいとのこと。
2セット目の15分は呼吸を意識して歩く。まずはインストラクターさんに倣って2回鼻から吸って、1回口から吐いてみる。なんだかちょっと息苦しい…。SpO2とPULSEを確認してみると、1セット目よりも悪い結果に!この方法は僕にはあってないみたい。色々試してみた結果、3回鼻から吸って、1回口からゆっくり吐くのが一番楽だった。SpO2とPULSEの数値も改善した。
今回の結果。次回も頑張ろう!!
最後に高酸素ルームで10分程休憩して終了。5回分の回数券を買ったので、あと4回は利用できる。次回以降は運動強度を徐々に上げていくらしい。高山病にならずに旅行を楽しむために頑張ろう!
最後まで読んで下さり、ありがとうございましたm(_ _)m。では、また!!
※1ボリビアツアー、ボリビア旅行、ボリビアへの自由旅行ならユーラシア旅行社
料金はちょっと高いけど、プランがしっかりしているイメージ。スタッフがウユニ塩湖を何度も訪問し、乾季でも水が干上がりにくい秘密のスポットをみつけたらしい。
※2ウユニ塩湖とチチカカ湖(ボリビア)|西遊旅行の添乗員同行ツアー(131号)
ブータン旅行のパイオニア。ブータンへ行くときはお世話になろうと思っている。
※3銀座 好日山荘
https://www.kojitusanso.jp/shop/kanto/ginza/
ボルダリングジムも併設。